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重いものを持ち上げた瞬間、顔を洗おうと前かがみになった瞬間に、腰に「ギクッ」と激痛が走る――いわゆる「ぎっくり腰」です。寒くなるこれからの季節や、年末の大掃除の時期に多くなります。

「動いていいの?寝ていたほうがいいの?」「温める?冷やす?」「どのくらいでよくなるの?」と迷う方のために、海外の医学論文のデータと国内の腰痛診療ガイドラインをもとに、当日やること・やってはいけないこと・病院へ行くべきサインを、埼玉県三郷市(高州)のたかす接骨院 はり灸院がわかりやすくまとめました。

結論:ぎっくり腰になったら、まずこの4つ

ポイント 医学論文・ガイドラインでわかっていること
寝込まず、できる範囲で動く ベッドで安静にするより、できる範囲で普段の生活を続けたほうが、痛みや動きの回復がわずかに良いとされています(文献1)
楽になるなら温める 温熱シートなどで温めると、短期間の痛みがやや和らぐという報告があります。冷やす効果ははっきりしていません(文献2)
多くは数週間で大きく回復 急性の腰痛は、6週間ほどで痛みが大きく軽くなる経過が一般的です(文献3)
危険なサインがあれば病院へ 足のしびれ・力が入らない、排尿の異常、発熱などがあれば、すぐに医療機関を受診してください(文献6)

そもそも「ぎっくり腰」とは?

ぎっくり腰は、急に起こる強い腰の痛み(急性腰痛)の通称です。腰痛診療ガイドラインでは、痛みが出てから4週間未満のものを「急性腰痛」と分類しています(文献6)。

多くのぎっくり腰は、骨折や神経の病気のような重い原因がなく、腰の筋肉や関節まわりに急な負担がかかって起こると考えられています。ただし、ごくまれに重い病気が隠れていることもあるため、後で説明する「危険なサイン」は必ず確認してください。

ぎっくり腰になった当日にやること

① まずは楽な姿勢で休む

痛みが強い直後は、無理に動かず、楽な姿勢をとりましょう。横向きに寝て膝を軽く曲げる、仰向けで膝の下にクッションを入れるなど、腰の力が抜ける姿勢がおすすめです。

② 痛みの範囲で、少しずつ動く

「ぎっくり腰は寝て治す」と言われた時代もありましたが、現在は考え方が変わっています。急性の腰痛を対象とした研究をまとめたコクラン・レビュー(文献1)では、ベッドで安静にするよう指示された人より、できる範囲で活動を続けるよう指示された人のほうが、痛みと体の動きの回復がわずかに良いという結果でした。

トイレや食事など、身の回りのことは痛みの範囲で自分で行いましょう。「痛いけれど動ける」程度の動きは、回復を妨げるものではないと考えられています。

③ 温めて楽になるなら温める

腰の痛みに対する温熱・冷却の研究をまとめたコクラン・レビュー(文献2)では、温熱シート(ヒートラップ)で温めると、短期間の痛みと日常動作がやや改善するという中程度の根拠が示されています。一方、冷やすことについては、効果を判断できるだけの研究がありませんでした。

入浴や使い捨てカイロ・温熱シートなどで温めて楽になるなら、温めて構いません。ただし、低温やけどには注意してください。

ぎっくり腰でやってはいけないこと

  • 何日も寝たきりで過ごす:上で紹介したとおり、安静にしすぎるより、できる範囲で動いたほうが回復に良いとされています
  • 痛いところを強く揉む・自己流で強いストレッチをする:痛みが強い時期は、刺激の強いことは避けましょう
  • 痛みが引かないうちに重いものを持つ・急に前かがみになる:動くことは大切ですが、腰に大きな負担がかかる動作はしばらく控えましょう
  • 危険なサインがあるのに我慢する:下のチェックリストに当てはまる場合は、すぐに医療機関へ

安静と腰痛の関係については、「腰痛のとき『安静』はもう古い?」の記事でも詳しく解説しています。

ぎっくり腰はどのくらいでよくなる?

急性腰痛の経過を調べた研究をまとめたメタ分析(文献3)では、痛みの強さを100点満点で表すと、平均で最初は約52点 → 6週間後に約23点 → 1年後に約6点まで下がっていました。

つまり、ぎっくり腰の多くは、最初の数週間で痛みが大きく軽くなる経過をたどります。一方で、痛みが長引いたり、何度もくり返したりする方もいます。「数日たっても痛みがほとんど変わらない」「動ける範囲が広がらない」という場合は、一度ご相談ください。

くり返さないために:再発予防のポイント

ぎっくり腰で困るのが「くせになる」ことです。腰痛の再発を調べたシステマティック・レビュー(文献4)では、急性腰痛から回復した人を追いかけた研究で、約3人に1人(33%)が1年以内に再発していました。

では、何が予防に役立つのでしょうか。腰痛の予防法を調べたメタ分析(文献5)では、次のような結果が出ています。

予防の方法 腰痛を起こすリスク
運動+腰痛についての正しい知識 約45%低下
運動のみ 約35%低下
腰痛ベルト(コルセット) 予防効果は認められず
靴の中敷き 予防効果は認められず

※ 文献5(Steffens ら, 2016)の結果をもとに当院で作成

痛みが落ち着いてきたら、ストレッチや運動を少しずつ習慣にすることが、くり返さないための近道です。ご自宅でできる運動は、腰痛に論文で推奨される「太もも裏ストレッチ」や冬のギックリ腰を防ぐ温活対策の記事も参考にしてください。

すぐに病院を受診すべき「危険なサイン」

腰痛診療ガイドライン(文献6)では、腰痛の中に、がん・感染症・骨折・重い神経の障害といった病気が隠れていないかを見分けることが重要とされています。次のような場合は、接骨院ではなく、すぐに整形外科などの医療機関を受診してください。

  • 足のしびれが強い、足に力が入らない
  • おしっこが出にくい・漏れる、便の異常がある
  • お尻や股のまわりの感覚がおかしい
  • 発熱がある
  • 安静にしていても、夜も痛みが続く
  • 転倒や事故など、強い衝撃のあとから痛い
  • がんの治療歴がある、原因のわからない体重減少がある

詳しくは、腰痛の「レッドフラッグ」の記事をご覧ください。

三郷市のたかす接骨院 はり灸院でできること

当院では、ぎっくり腰の方に、まず問診と検査で状態を確認し、医療機関の受診が必要なサインがないかをチェックします。そのうえで、回復の段階に合わせて施術を行います。

  • 痛みが強い時期:ハイボルトや超音波などの物理療法、痛みの少ない手技で、つらさの軽減を目指します
  • 動き方のアドバイス:起き上がり方・寝る姿勢・仕事や家事での体の使い方をお伝えします
  • 回復してきた時期:ストレッチや運動の指導で、くり返さない体づくりをサポートします
  • はり・お灸:腰まわりの筋肉の緊張が強い方には、はり・お灸の施術もご用意しています

急な負傷によるぎっくり腰は、健康保険を使える場合があります。詳しくは腰痛・ぎっくり腰のページをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

  • ぎっくり腰は、寝込まずに、痛みの範囲でできる動きを続けるのが基本
  • 温めて楽になるなら温める(冷やす効果ははっきりしていない)
  • 多くは数週間で痛みが大きく軽くなるが、約3人に1人は1年以内に再発
  • 再発予防には、運動と正しい知識の組み合わせが有効。ベルトや中敷きだけでは予防効果は認められていない
  • 足のしびれ・力が入らない、排尿の異常、発熱などがあれば、すぐに医療機関へ

参考文献

  1. Dahm KT, Brurberg KG, Jamtvedt G, Hagen KB. Advice to rest in bed versus advice to stay active for acute low-back pain and sciatica. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2010. doi:10.1002/14651858.CD007612.pub2
  2. French SD, Cameron M, Walker BF, Reggars JW, Esterman AJ. A Cochrane review of superficial heat or cold for low back pain. Spine. 2006;31(9):998-1006.
  3. Menezes Costa LC, Maher CG, Hancock MJ, McAuley JH, Herbert RD, Costa LOP. The prognosis of acute and persistent low-back pain: a meta-analysis. CMAJ. 2012;184(11):E613-E624.
  4. da Silva T, Mills K, Brown BT, Herbert RD, Maher CG, Hancock MJ. Risk of recurrence of low back pain: a systematic review. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(5):305-313.
  5. Steffens D, Maher CG, Pereira LSM, et al. Prevention of low back pain: a systematic review and meta-analysis. JAMA Intern Med. 2016;176(2):199-208.
  6. 日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修『腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版』南江堂, 2019.

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状には個人差があります。気になる症状がある場合は、医療機関や当院にご相談ください。

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