「走ったりジャンプしたりすると、膝のお皿の下が痛い」「正座をすると膝の下に当たって痛い」――小学校高学年〜中学生のお子さんに多いこの痛みは、オスグッド(オスグッド・シュラッター病)かもしれません。
「成長痛だから、そのうち治る」「部活を休むしかない」と思われがちですが、海外の医学論文を見ると、休むか・続けるかの二択ではなく、痛みを見ながら練習量を調整する考え方が広がっています。埼玉県三郷市(高州)のたかす接骨院 はり灸院が、親御さんにもわかりやすくまとめました。
この記事でわかること
- オスグッドとはどんな痛みか、なぜ成長期に起こるのか
- なりやすい年齢と、なりやすい子の特徴
- 「そのうち治る」は本当か(論文のデータ)
- 部活は休むべき?続けていい目安
- すぐに医療機関へ行くべきサイン
- おうちでできるケア
結論:完全に休むより「痛みを見ながら調整」が大切
- オスグッドは、骨が伸びる時期に、太ももの前の筋肉が膝の下の骨を引っ張って起こる痛みです
- 運動をしている子に多く、ある調査では13歳でスポーツをしている子の約5人に1人が経験していました
- 「自然に治る」と言われますが、2年たっても約4割に痛みが残っていたという研究もあり、放っておけばいいとは限りません
- 練習量を一時的に調整し、段階的に筋トレを行ったグループでは、12週で8割の子が「よくなった」と答えています
オスグッドとは?なぜ成長期に起こるの?
オスグッドは、膝のお皿の少し下にある骨の出っ張り(脛骨粗面〈けいこつそめん〉)が痛む状態です。押すと痛い、ポコッと出っ張ってくる、といった特徴があります。
成長期には骨が先に伸び、筋肉や腱の柔らかさが追いつかない時期があります。太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は、お皿の下の腱を通って脛骨粗面にくっついているため、走る・跳ぶ・ボールを蹴るといった動きをくり返すと、まだやわらかい成長途中の骨が引っ張られて痛みが出ます。
よくある症状
- 膝のお皿の下が、運動中や運動後に痛む
- 膝の下の骨を押すと痛い、出っ張ってきた
- 正座や膝をつく姿勢で痛い
- 階段の上り下り、しゃがむ動作がつらい
- 片方の膝だけのことも、両方の膝のこともあります
なりやすい年齢と、なりやすい子の特徴
海外の総説論文では、症状が出やすい年齢は女の子で8〜12歳ごろ、男の子で12〜15歳ごろとされています。身長がぐっと伸びる時期と重なります。
フィンランドの調査では、13歳でスポーツをしている生徒の21.2%がオスグッドを経験していたのに対し、スポーツをしていない生徒では4.5%でした。サッカー、バスケットボール、バレーボール、陸上など、走る・跳ぶ・蹴る動きの多い競技で多く見られます。
また、日本のサッカー少年を1年間追いかけた研究では、14.3%が新たにオスグッドになり、太ももの前の筋肉の硬さなどが関係していたと報告されています。
「そのうち治る」は本当?
オスグッドは「成長が止まれば自然に治る」とよく言われ、実際に多くの子は時間とともに落ち着いていきます。
ただし、デンマークで10〜14歳の51人を2年間追いかけた研究では、2年後も約4割(37%)に膝の痛みが残り、約2割(22%)が膝の痛みでスポーツをやめていたと報告されています。研究者たちは「思われているほど短期間で自然に治るものではないかもしれない」と注意をうながしています。
⚠ 「様子見」のままにしないで
痛みをがまんして練習を続けると、走り方やジャンプの仕方をかばうクセがつき、ほかの場所を痛めることもあります。「成長痛だから」と決めつけず、一度状態を確認しておくと安心です。
部活は休むべき?続けていい目安
これまでは「痛みがなくなるまで運動を休む」ことが多くすすめられてきました。ところが、先ほどのデンマークの研究グループは、完全に休むのではなく、痛みを見ながら運動量を調整し、段階的に筋トレを行う方法を試しています。
この方法では、最初の4週間は痛みが強くなる動き(ジャンプやダッシュなど)を一時的に減らし、太ももやお尻の簡単な筋トレから始めました。その後、痛みの様子を見ながら少しずつ運動を増やしていきます。その結果、12週で80%、12か月で90%の子が「よくなった」と答え、12か月後には69%がスポーツに復帰していました。
※この研究は比較対象のグループがないため、自然によくなった分も含まれている点には注意が必要です。それでも「痛いから全部やめる」以外の選択肢がある、ということは知っておいて損はありません。
続けるときの目安
- 練習中に痛みがどんどん強くなる動きは、いったん減らす
- 練習の翌朝に、前の日より痛みが強くなっていないかを確認する
- ジャンプ・ダッシュ・キックの量を減らし、ほかのメニューに置きかえる
- 痛みが落ち着いてきたら、少しずつ元の練習量に戻していく
どのくらい減らせばいいかは、競技や痛みの強さによって変わります。迷ったときはご相談ください。
成長期の膝の痛み、早めにご相談ください
部活を続けながらできることを、一緒に考えます。
当日のご予約はお電話でご確認ください。
すぐに医療機関へ行くべきサイン
次のような場合は、オスグッド以外のケガや病気(骨折、感染、腫瘍など)の可能性もあるため、早めに整形外科などの医療機関を受診してください。
- ジャンプや着地のあと急に強い痛みが出て、歩けない・膝を伸ばせない
- 膝が大きく腫れている、赤く熱をもっている
- 熱が出ている
- 夜寝ているときや、じっとしていても痛む
- 痛みがどんどん強くなっている
当院でも、骨折が疑われる場合などは医療機関をご紹介しています。
おうちでできるケア
- 運動後に冷やす:練習のあと、膝の下の痛いところを10〜15分ほど冷やしましょう
- 太ももの前のストレッチ:うつぶせや立った姿勢でかかとをお尻に近づけ、太ももの前を伸ばします。痛みが出ない範囲で行ってください
- 太ももの裏・ふくらはぎのストレッチ:脚全体の柔らかさも大切です
- ほかの運動に置きかえる:痛みが強い時期は、水泳や自転車など膝への負担が少ない運動もおすすめです
- 膝下のサポーター:お皿の下を押さえるタイプのサポーターで、練習中のつらさがやわらぐことがあります
三郷市のたかす接骨院 はり灸院でできること
当院では、まず問診と検査で膝の状態を確認し、医療機関の受診が必要なサインがないかをチェックします。そのうえで、お子さんの部活の予定や大会の日程もうかがいながら、一緒に練習との付き合い方を考えます。
- 痛みが強い時期:物理療法や手技で、つらさの軽減を目指します
- 体の柔らかさのチェック:太もも・股関節・足首の硬さを確認し、その子に合ったストレッチをお伝えします
- 練習量の相談:どの動きを減らし、何なら続けられるかを具体的にお伝えします
- 復帰に向けて:痛みが落ち着いてきたら、筋トレやフォームのアドバイスで部活への復帰をサポートします
お子さんのスポーツのケガについては、子ども・部活のケガのページでも詳しくご紹介しています。保護者の方の付き添いも大歓迎です。
まとめ
- オスグッドは成長期に多い、膝のお皿の下の痛みです
- 「自然に治る」と言われますが、2年後も痛みが残る子が少なくありません
- 完全に休むだけでなく、痛みを見ながら練習量を調整する方法があります
- 急な強い痛み・腫れ・発熱・夜間の痛みがあれば、すぐに医療機関へ
参考文献
- Kujala UM, Kvist M, Heinonen O. Osgood-Schlatter’s disease in adolescent athletes. Retrospective study of incidence and duration. Am J Sports Med. 1985;13(4):236-241.
- Nakase J, Goshima K, Numata H, et al. Precise risk factors for Osgood-Schlatter disease. Arch Orthop Trauma Surg. 2015;135(9):1277-1281.
- Rathleff MS, Winiarski L, Krommes K, et al. Activity Modification and Knee Strengthening for Osgood-Schlatter Disease: A Prospective Cohort Study. Orthop J Sports Med. 2020;8(4):2325967120911106.
- Holden S, Olesen JL, Winiarski LM, et al. Is the Prognosis of Osgood-Schlatter Poorer Than Anticipated? A Prospective Cohort Study With 24-Month Follow-up. Orthop J Sports Med. 2021;9(8):23259671211022239.
- Corbi F, Matas S, Álvarez-Herms J, et al. Osgood-Schlatter Disease: Appearance, Diagnosis and Treatment: A Narrative Review. Healthcare. 2022;10(6):1011.
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の診断に代わるものではありません。症状が気になる方は、医療機関または当院にご相談ください。
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